M-1準々決勝の“先輩芸人の完コピネタ”で話題 お笑いコンビ『ラパルフェ』が「禁じ手に挑むワケ」

『男性ブランコ』のものまねをバッチリ決める『ラパルフェ』の都留(左)と尾身の二人。奇抜な挑戦を続ける裏にある“思い”とは…?

「去年のM-1準々決勝で『ニューヨーク』さんのネタを完コピさせてもらって、とんでもない十字架を背負ってしまったというか……。今年の準々決勝の出順がまさかの大トリだったので、勝手に“期待されている”と受け取りまして、ものまねネタに急遽シフトしました。ちゃんとズルじゃないネタで勝ち上がっていましたけど、責任を取らないといけないじゃないですか(笑)」

M-1準々決勝で披露した「先輩芸人の完コピネタ」の裏側を明かしたのは、お笑いコンビ『ラパルフェ』のツッコミ担当・都留拓也(31)だ。ボケの尾身智志(31)とは中学校の同級生で、‘18年にコンビを結成。もともとは正統派のコントを演じていたが、‘19年に都留による阿部寛(61)のものまねが注目されるや、昨年のM-1準々決勝では、先輩コンビ『ニューヨーク』のネタを完コピ。今年の準々決勝でも『男性ブランコ』の完コピネタを披露した。この準々決勝のネタがM-1グランプリ公式YouTubeにアップされるや、総再生回数は160万回を超えるなど、“大バズり”となっている。

いったいなぜ、『ラパルフェ』は、異端な挑戦を続けるのか。二人が明かしたのは意外なホンネだった。

「邪道」を進み続けるワケ

都留 正直、今年は全くその気はなかったんですよ。3回戦までは観客からのウケや調子もよかったので、準々決勝の5日前まではそのままの本ネタでいこうと考えていました。

尾身 勝ち上がったネタは、もちろん「先輩ものまね」のような邪道なネタじゃないですからね。僕たちでもちゃんと“ズル”じゃない本ネタでしっかり挑んでいたんですよ。

都留 でも、準々決勝の出順が“大トリ”だったんですよね。これは、おそらく昨年の『ニューヨーク』さんをやったことが影響して、今年も期待されているんだなってなんとなく受け取って。かなり悩みましたよ。

尾身 だって、準々決勝の“大トリ”って、昨年だったら『令和ロマン』で、過去には『ヤーレンズ』さんや『真空ジェシカ』ですから。言ったら本命みたいな位置なんですよ。でも、我々には実績がないですから……。最後にされる意味って、そういうことだと勘繰りますよね(笑)。

インタビューにはメイクを落として臨んでくれた。これからはものまねメイクのない“素顔”での活躍にも期待だ

――ものまねネタをするなら『男性ブランコ』というのは決まっていたんでしょうか。

都留 それが、『男性ブランコ』さんのものまねネタは一度もやったことがなかったので、衣装やネタ選びも含めてゼロからのスタートでした。

尾身 だって、11月13日に出順が決まって、14日の夜中0時に都留くんからLINEで「ネタ変えます」という連絡だけきて。その時点で、準々決勝まで4日しかなかったんですよ。『男性ブランコ』さんで行くってはっきり決まったのが、14日の営業先の控室だったよね。

都留 尾身くんにネタを変えると連絡したものの、何をやるかは決めかねていました。最初は、ライブで一度やったことがあった『チョコレートプラネット』さんのネタを考えたんですけど、顔がぜんぜん似てなかった。去年の『ニューヨーク』さんのようなインパクトを与えるべく考えたところ、『男性ブランコ』の平井まさあきさん(38)にかなり似ているなって思って。実際にメイクをしてみたところ、「これはいける!」と思いました。

尾身 いや〜~、結構大変でしたよ。準々決勝前にネタを人前で披露できる場所が、16日の事務所ライブしかなくて。それ以外の日は営業やロケが入っていたので、ネタ合わせも本当に数回程度で、あとはイメトレだけしておくみたいなスケジュールでしたね。

都留 それでも、尾身が平井さんのしゃべりから動きまで完璧にインプットしてくれて、当日の会場でも平井さんが出てきたみたいな驚いた空気になっていましたから、尾身の完成度の高さには僕も驚かされましたよ。

有料版『FRIDAY GOLD』では、同期の『令和ロマン』『ラランド』への思いから、12月21日に開催される「M−1グランプリ決勝戦」のダイタン予想までを語り尽くしている。