元千葉県知事の森田健作が司会を務めるラジオ特番に菅義偉元首相が出演し、不妊治療への保険適用の反響や新著『官邸の決断』について語りました。菅氏はリーダーの決断の重要性を強調し、今後の出演予定も明かしました。
元千葉県知事で俳優の森田健作(76)がパーソナリティを務めるニッポン放送の年末特番「森田健作 青春の勲章は挫けない心 年末増刊号」(30日午後3時放送)に、菅義偉元首相(77)が出演することが23日、分かった。菅氏の同番組出演は2022年7月以来、約3年半ぶり3回目となる。
特番ではホスト役の森田が、「かつて自分も政治家だったので、どうしても(菅氏と)同じ視線で語ってしまう。知美ちゃんはタレントである前に既婚者で子育てもしてきた。今回はそういった女性の感覚で進行してみたかった」と配慮。森田の意向で、番組アシスタントのタレント・西村知美(55)がリードする形で進行した。
森田の紹介に対し、菅氏も軽く頷きながら「お手柔らかにどうぞ」と応じるなど、和やかな雰囲気で収録は始まった。
森田健作のラジオ特番出演「あの時、菅さんが総理だったら」と西村知美
西村は菅氏に対し「総裁選の時に不妊治療への保険適用の実現を訴えられていたのですが、実際に総理になられてから実現してくださり、本当に嬉しかった」と感謝を伝えた。その理由について、「私事ですが、20年以上も前になりますが、不妊治療をしていたんです」と自身の経験を告白。当時を振り返り、「体力的、精神的だけではなく、経済的にも負担が大きく、大変な時期があって何度も挫けそうになった。『なぜ保険が適用されないのか』と思った」と苦悩を明かした。
その上で、「それが保険適用となった時は、思わず『あの時に菅さんが総理だったら』と思ってしまいました」と語りかけた。
実際、不妊治療への保険適用が決まった2023年には、不妊治療などで生まれた子供が8万5048人と過去最高となり、累計の出生数も100万人を超えている。「少子化が進む中で大きな成果だったと私は思う」と西村が振り返ると、森田も「あの時は本当に大きな反響だった」と同調した。
携帯料金値下げを超える「2700万件」の反響
二人の言葉を受け、菅氏は「政治家を30年やってきた中で、最も反響が大きかった」と回顧。「保険適用のことをSNSに自ら書き込んだのですが、その時の反響が2700万件を超えているんです。正直言って私も驚きました」と吐露した。
さらに、「携帯電話料金の値下げの時の反響は1000万件行かなかったんですよね。それが不妊治療の保険適用では2700万件でしたから、いかに関心が高かったかです」と、具体的な数字を挙げて国民の関心の高さを強調した。
新著『官邸の決断』に込めた思い
番組ではこのほか、菅氏の提案で誕生した「ふるさと納税制度」や、コロナ禍でのワクチン対策についても振り返る。また、森田は今月、菅氏が新たに出版した著書『菅義偉 官邸の決断』(ダイヤモンド社)についても言及。 同著は「週刊ダイヤモンド」での菅氏の連載をもとに加筆し書籍化したものだ。
菅氏は「連載時には書ききれなかったことを新たに加え、官房長官、総理、官僚の仕事ぶりを記した」と紹介し、「然るべき時に決断を下すのがリーダーの要諦(ようてい)」だと、政治信条を力強く述べた。
なお、菅氏は新年1月4日放送のFM NACK5「青春もぎたて朝一番!」への出演も予定しており、こちらの番組では森田と番組パートナーの歌手・酒井法子(54)が進行を務める。
■菅義偉(すが・よしひで)
- 経歴:自由民主党所属、衆議院議員(10期)
- 生年月日: 1948年12月6日生まれ。
- 出身: 秋田県雄勝郡秋ノ宮村(現・湯沢市)。法政大学法学部卒。
- 官房長官時代: 第2次安倍内閣から、歴代最長となる7年8カ月にわたり内閣官房長官を務める。
- 内閣総理大臣(第99代)主な政策: 携帯電話料金の値下げ、デジタル庁の創設、2050年カーボンニュートラル宣言、新型コロナウイルスワクチンの接種推進など。
(zakⅡ編集部)


