映画「国宝」がアカデミー賞のショートリストに選ばれ、話題です。吉沢亮主演で、国際長編映画賞など2部門に選出されました。トム・クルーズも絶賛し、受賞への期待が高まっています。
世界的な映画の祭典、第98回米アカデミー賞のノミネート作品候補となる「ショートリスト」に、俳優、吉沢亮(31)主演の映画「国宝」(李相日監督)が入って話題を呼んでいる。国際長編映画賞とメーキャップ&ヘアスタイリング賞の2部門で選出。最終的なノミネート作品は2026年1月22日(現地時間)に発表されるが、そもそもどうやって決まるのか。
最終候補に残るのは5作品
今回の国際長編映画賞では86作品が審査対象となり、15作品がショートリスト入りした。アカデミー会員たちの投票によって、この中から5作品が生き残る仕組み。会員には15作品すべてを視聴することが義務付けられている。アカデミー賞では「『一部だけを見て好きなものに投票する』ことができない仕組みになっており、非常に公平性が高い選考プロセス」と説明している。
ショートリスト入りした国際長編映画賞候補作品は、次の通り(アルファベット表記の国名順、作品タイトルはアカデミー賞サイト表記による)。
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- アルゼンチン「Belén」
- ブラジル「The Secret Agent」
- フランス「It Was Just an Accident」
- ドイツ「Sound of Falling」
- インド「Homebound」
- イラク「The President’s Cake」
- 日本「Kokuho」
- ヨルダン「All That’s Left of You」
- ノルウェー「Sentimental Value」
- パレスチナ「Palestine 36」
- 韓国「No Other Choice」
- スペン「Sirât」
- スイス「Late Shift」
- 台湾「Left-Handed Girl」
- チュニジア「The Voice of Hind Rajab」
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歌舞伎界の人間模様や愛憎劇を描いてロングランヒットを続けている「国宝」は、興行収入で邦画実写作の歴代1位の記録を更新。
トム・クルーズ絶賛「優雅で力強い」
米国では先だって大スター、トム・クルーズ(63)がロサンゼル郊外で上映会を開き、同作について「俳優たちが準備に何年もかけたこの作品は、観客を優雅で力強い日本の芸術の世界にいざなう」と激推し。かつて「ラストサムライ」で共演し、「国宝」にも出演した渡辺謙(66)から手紙を受け取ったのを機に作品を鑑賞し、感銘を受けたとされる。
今年11月に長年のキャリアが認められ、アカデミー名誉賞を受賞したトムの言葉だけに、なんとも縁起がいい。前哨戦となるゴールデングローブ賞ではノミネートを逃したが、トムの後押しを受けてアカデミー賞という檜舞台への切符を手にできるか。
もし国際長編映画賞受賞となれば日本作品としては西島秀俊(54)主演の「ドライブ・マイ・カー」(濱口竜介監督)以来4年ぶり、メーキャップ&ヘアスタイリング賞では初めてとなる快挙だ。
■「国宝」(こくほう)
- 公開日: 2025年6月6日
- 上映時間: 175分
- 監督: 李相日
- 主な出演者: 吉沢亮、横浜流星、渡辺謙、田中泯、寺島しのぶ、宮澤エマ、三浦貴大ほか
- 製作: 2025 映画「国宝」製作委員会(幹事:東宝/制作プロダクション:クレデウス)
- 概要: 吉田修一氏の同名小説を実写化。任侠の家系から歌舞伎の世界へ飛び込んだ喜久雄の人生を描く。現在もロングランヒットを続け、邦画実写の歴代興収記録を塗り替える快挙を成し遂げた。
(zakⅡ編集部・井上悟)

