
詐欺師になるきっかけはあるホストだった
「もともと悪人だったようには思えない。アパレル店員時代に遊びにいった江の島で男にナンパされてから転落した人生ですね」──詐欺の容疑で逮捕された高橋麻美香容疑者(32)の被害者のひとりだという人物は取材にこう語った。
保育士になるため地元の短大に通い、その後アパレル業に就いていた容疑者。上京したのち、多数の男性からあの手この手で金を巻き上げる詐欺師へと堕ちた。NEWSポストセブンは被害者の証言をもとに、女が詐欺師になるまでの過去に迫った。【前後編の後編。前編から読む】
大手紙社会部記者が話す。
「容疑者は2022年、かつて自身が勤務していた東京・吉原の風俗店の客だった60代男性に対し、『白血病が再発したので治療費が必要』などと嘘をつき、入院費名目で1000万円ほどを騙しとった疑いがもたれている。
このほかにも病院の請求書を偽装するなど同様の手口で3000万円近くを騙しとったとみられており、捜査が進められている。捜査関係者によると、容疑者は詐取した金を借金の返済などに充てていたそうです」
既報のとおり、容疑者は「元彼の親の借金を返す」「ヤミ金に追われている」「客の子どもを中絶したい」などさまざまな理由をつけて、この60代男性以外の複数人から受けとっていた可能性がある。
警察の見立てでは借金返済のための犯行だというが、入り用になったのはある男性との出会いがきっかけだったという。冒頭の“被害者”が言う。

全国を転々としていたという容疑者
入れ込んでいたホストはナンバーワンに
「まだ地元でアパレル店員をしていた時代、高橋が江の島に遊びにいったそうなんです。そのときホストの男性からナンパされて、付き合うことになった。その後、東京の中野区に引っ越して同棲を始めると、風俗で働くようになったそうです。男性らを手玉に取っては金銭を受け取るようになったのもこのころからだと思います」
高橋容疑者はこのホストに惚れ込んでいたのだろうか。稼いだ金を男に貢ぐようになり、出稼ぎでも金が足りないとなると、男性らから金を無心するようになったという。
この人物によると、「騙し取られた金額は人によってばらばらですが、聞いたところによると50万円から150万円でしょうか。今回逮捕のきっかけになった60代の男性の被害額がいちばん大きい」という。
では数千万円の大金はどこへ消えたのか。
「60代の方からお金を巻き上げていた2022年、付き合っていたホストの男性は店で売り上げナンバーワンになったそうです。おそらくこの数千万円は彼のシャンパン代などに消えたんでしょう。でもその売り上げはあくまで一時的なもので、金回りが悪くなるとすぐに人気がなくなり店を辞めたそうです。その後、2人の関係がどうなったのかはわかりませんが、本人の話から考えると、大金を注ぎ込んだのはこのホストだったのだと思います」
“私欲”のために悪事を繰り返していた“女詐欺師”はいま、警察の手に落ちた。今後の捜査で、余罪は明らかとなるか──。
(了)