西東京市の母子4人無理心中、練馬区で謎の男性遺体も発見 なぜXマス前に…

母子4人が亡くなった住宅の周辺=19日午後、東京都西東京市
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東京都西東京市で母親と3人の息子が自宅で死亡し、無理心中の可能性が捜査されています。さらに、母親名義のマンションで20代男性の遺体が発見され、事件は複雑化しています。警視庁は母親と男性の関係を調査中です。事件に対するSNSの反応では、無理心中への批判や家族の問題についての意見が広がっています。

クリスマスのイルミネーションが街を彩る中、19日、東京都西東京市北町4丁目の閑静な住宅街で、信じがたい悲劇が起きた。36歳の母親、野村由佳さんとその息子3人――高校1年生の長男(16歳)、小学5年生の次男(11歳)、小学4年生の三男(9歳)――が自宅で倒れているのが発見され、その後、全員の死亡が確認された。

警視庁は無理心中の可能性が高いとみて捜査を進めているが、事件はさらに複雑な様相を呈している。

23日には、母親名義で契約された練馬区のマンションで、20代とみられる男性の遺体が発見されたのだ。なぜこんなことが起きたのか。どうして防げなかったのか。

閑静な住宅街を震撼させた母子4人死亡事件の全容

事件は発端は、19日午後5時半過ぎ。帰宅した夫が、自宅の玄関にチェーン錠がかかっていることに気づいたことからだった。中から物音が聞こえるものの、家族の気配がない。異変を感じた夫はすぐに110番通報した。

捜査関係者によると、駆けつけた警察官が室内に入ったところ、血まみれの惨状が広がっていたという。2階の部屋では、母親と長男が切り傷を負って倒れ、1階では次男と三男が首に痕を残して意識を失っていた。現場からは血の付いたおのと包丁が発見され、家族の争いや外部からの侵入の痕跡は見当たらなかった。搬送先の病院で、母親と長男は失血死、次男と三男は窒息死とみられる死因が判明した。

夫は事件直前、母親とLINEや電話でやりとりをしていたという。内容は日常的なものだったという。

西東京市の現場は、西武池袋線保谷駅から北へ約1.5キロの住宅地。周辺は静かで、近隣住民の交流も少ないエリアだ。近所に住む25歳の男性は産経ニュースの取材に対し、「自治体の境界近くで、近所付き合いが希薄。叫び声や異常な様子はなかった」と語っている。

家族は5人暮らしで、夫は仕事で外出中だった。母親は職業不詳と報じられているが、日常的に子育てに追われていたのだろう。子どもたちは学校に通い、普通の生活を送っていたはずだ。それなのに、なぜこのような結末を迎えたのか。

事件の謎深まる、母親名義マンションから20代男性の遺体

捜査はさらに深刻さを増している。23日、警視庁捜査1課は母親名義で3月に契約された練馬区のマンションを家宅捜索。22日午後7時15分頃、寝室のクローゼット内でテープで目張りされた状態の20代男性の遺体を発見した。腹部を中心に十数カ所の刺し傷や切り傷があり、腐敗が進んでおり死後数日以上経過していたとみられる。部屋は施錠されており、男性はここに住んでいた可能性が高い。警視庁は、この男性が母親の知人で、交際関係にあったとみて、人の死亡との関連を調べている。

男性の身元はまだ特定されていないが、母親はなぜこのマンションを借りていたのか。男性との関係が、事件に関係するのか。謎は深まるばかりだ。

事件に対するSNSの反応、「無理心中」という言葉への批判

SNS上では、この事件に対する反応が急速に広がった。X(旧ツイッター)では、「西東京市 無理心中」関連の投稿が数千件に上り、多くが悲しみと怒りを交錯させている。あるユーザーは「無理心中って言葉が嫌い。自爆殺人だ。子どもを道連れにするな」と投稿し、数千のいいねを集めた。別の投稿では、「年末にこんなニュース。心が痛い。子どもたちの未来を思うと涙が出る」と、純粋な悲嘆が綴られていた。ハッシュタグ「#西東京市無理心中」はトレンド入りし、動画や画像を交えた詳細共有も見られたが、それらは興味本位ではなく、事件の深刻さを共有するものが多い。

さらに深い考察を加えると、SNSの反応は社会的な孤立を指摘するものが目立つ。「近所付き合いが少ないエリア。気づけなかったのが悔しい」という近隣住民の声が拡散され、「現代の家族は孤立しすぎ。相談できる場が必要」との意見が相次いだ。そして、多くのユーザーが「子どもたちのクリスマスを思うと胸が張り裂けそう」と記し、家族の温かさを失った喪失感を共有している。一方で、「死にたいなら一人で。子どもは生きる権利がある」との厳しい声も少なくない。

(zakⅡ編集部 霞蓮刃)