ヤンキー恋愛番組『ラヴ上等』が日韓で大ブーム５つの理由

Netflixで配信中の『ラヴ上等』は、異色のヤンキー男女が織りなす予測不能な展開と純粋な恋愛観で視聴者を魅了しています。プロデューサーMEGUMIとコメンテーター永野が参加し、サスペンス要素やバラエティ豊かな演出が話題を呼び、国内外で人気を集めています。

動画配信のNetflixで12月に配信開始された恋愛リアリティショー『ラヴ上等』が、瞬く間に話題を呼び、SNS上で爆発的な反響を呼んでいる。

元暴走族総長や元ヤクザ、最終学歴が少年院という異色のヤンキー男女11人が、14日間の共同生活を送りながら恋に落ちる様子を描く本作は、従来の恋愛リアリティショー（恋リア）とは一線を画す内容だ。プロデューサーを女優のMEGUMIが務め、お笑い芸人・永野をはじめとするコメンテーター陣が番組に深みを与えている。配信直後から視聴ランキング上位をキープし、日本国内のみならず、特に韓国でも人気が沸騰。トレンドワードにも上がってくるようになった。なぜこれほど急速にファンを獲得したのか。SNSの声を基に、その理由を5つにまとめた。

元ヤクザ×元暴走族の恋愛リアリティ『ラヴ上等』

1. 異色のキャスト設定が好奇心を刺激する

『ラヴ上等』最大の魅力は、参加者の強烈なバックグラウンドにある。ヤンキーやギャル、元アウトローたちが集まる設定は、視聴者に「異世界」を覗くようなワクワク感を提供する。SNSでは「恋愛はおまけで、ヤンキーたちの生態と世界観がメイン」「安全な場所からアウトローを眺めたい」という声が目立つ。

X（旧ツイッター）では「私も他の恋リアは全部ダメだったけど、ラヴ上等だけはいけた！ あれは恋リアというよりギャグとして観れる。ヤンキー達の生態と世界観がメインだと思ってる」といった投稿が見られる。従来のキラキラしたインフルエンサー中心の番組に飽きた視聴者が、ヤンキー文化の「本気」と「覚悟」に惹かれているようだ。

韓国での人気も、漫画やドラマで馴染み深いヤンキー像の「リアルな姿」が新鮮に映るためだろう。Xユーザーからも「外国が日本に求めてるのはこういうコンテンツ」との指摘があり、この異文化的な魅力が急速な拡散を促している。

喧嘩勃発、薬物疑惑…地上波にはない荒れ具合

2. 予測不能な展開とスリル満点のドラマ性

番組は開始5分で喧嘩が勃発し、その後も薬物疑惑で退場者が出るなど、予測不能な展開が続く。これが視聴者を釘付けにしている要因だ。

SNS上では、「開始早々にセキュリティが出動し、朝の歯磨きシーンすら刑務所みたいで笑い死ぬ」といった感想が飛び交う。あるユーザーは「軽い気持ちで見始めたら止まらなくなった」と一気見した理由を明かし、また別のユーザーも「出会って目が合っただけで喧嘩をふっかけたかと思えば、超仲良くなったり。定期的にこちらの心臓をギュッとさせてくる展開は、恋リアじゃなさすぎる」と興奮を綴っている。

このサスペンス要素が単なる恋愛番組を超えたエンターテイメント性を生み、ネタバレを避けつつ共有したいという心理が「バズ」を加速させている。地上波ではお蔵入りレベルの過激さを、有料配信ならではの自由度で実現した点も高く評価されている。

現代の恋愛離れに警鐘？ヤンキーたちの「むき出しのストレート」な恋

3. 出演者の純粋さと一途な恋愛観

ヤンキーたちの「むき出しのストレートさ」が、現代の恋愛離れ世代に響いている。「ヤンキーの恋愛は深い」「一途な元暴走族総長に人気集中」という声も多い。

視聴者からは「『自分のことを1番好きな子が世の中に1人でもいるって思ったら安心できない？』とか『相手が幸せになるまで自分は恋愛しないと決めていた』など、名言が多い。つーちゃん物語は映画化できるレベル」と感嘆の声が上がる。また、企画意図として語られる「傷つくことに臆病な人たちに、むき出しでストレートな彼らを見て『恋愛っていいな』と思ってほしい」というメッセージも広く拡散されている。

韓国の視聴者からも「日本のヤンキーとギャルはピュアすぎてクール」と評価されており、階級社会の抑圧を感じる層にカタルシスを提供しているようだ。

4. 「笑い」とギャグ要素の多さ

『ラヴ上等』は恋愛番組としてだけでなく、「バラエティ」としても楽しめる点が強みだ。手押し相撲や酒をぶっかけ合うシーンが爆笑を誘い、SNSでは「ゲラゲラ笑えて一気見した」との投稿が溢れている。

「ヤンキーたちが手押し相撲しているだけで面白い」「韓国の人たちが謎にヤンキー文化を好んでいるのが興味深い」といった、国際的なユーモアの共有も見られる。この軽快さが、重くなりがちなテーマをストレスフリーで視聴可能にし、友人への推奨ハードルを下げている。また、MEGUMIらによるスタジオトークや女子会のようなコメントも「輝きすぎてエグい」と称賛され、視聴者の心を掴んで離さない。

5. 国際的な広がりと口コミ効果

特に韓国での爆発的な人気が、逆輸入的に日本国内の注目度を押し上げている。

SNS上では「なぜ韓国で人気なのか」という考察が行われており、「完璧な男女を見せつけられるドラマや既存の恋リア、そしてスプーン階級社会（日本で言う「親ガチャ」的な格差社会）の雰囲気に疲れた層に刺さっているのではないか」と分析されている。

年末年始に、意外な広がりを見せそうだ。

（zakⅡ編集部 圭拓海）