
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
都内でも有数の繁華街である錦糸町。日夜、ネオンが輝くこの街で事件は起きた。発端は12月6日21時ごろ、東京都墨田区にある雑居ビルの風俗店の待機所で、男性従業員から110番通報があったことだった。
「店の冷蔵庫に子どもの頭のようなものがある」
後日、逮捕されたのは同店に勤める従業員・小原麗容疑者(22)。現在、死体遺棄と死体損壊の疑いで捜査が進んでいる。小原容疑者はなぜ、我が子を切り刻むという行為に走ったのか。事件の内幕と、彼女の素顔とは──。【前後編の前編】
全国紙社会部記者が語る。
「店の待機所にある冷蔵庫の冷凍室から乳児のバラバラ遺体が見つかりました。頭部はポリ袋に入れられ、四肢は食品保存容器に入れられていました。胴体は現在も見つかっていません」
現場となったのはJR錦糸町駅から徒歩5分ほどの場所にある、雑居ビルの2階。ここは従業員らの待機所と事務所を兼ねたテナントで、20人以上の関係者が出入りする場所だった。
遺体発見から数日後、鑑識による調べでポリ袋に指紋が付着していることが発覚。DNA鑑定でも、小原容疑者と乳児に親子関係があると判明した。
「容疑者は3月上旬ごろ、都内で自らが産んだ赤ちゃんの遺体をカッターナイフで切り刻み損壊し、12月6日の間まで職場の待機所の冷蔵庫に遺棄した疑いがある。捜査関係者によれば、女は待機所で出産したあと、近くのホテルで遺体をバラバラにし、胴体は待機所のゴミ箱に捨てたということです。
調べに対して女は容疑を認めており、『出産したあと気を失った、気がついたら赤ちゃんは変色していた。隠さないといけないと思い、バラバラにした』などと供述している」
小原容疑者が勤務していた店は、派遣型コスプレや小道具を使ったシチュエーションプレイが売りの店で、都内を中心に10店舗近く系列店がある。

現場には献花も
「事件が発覚したあともいつもどおりに…」
「イメージプレイ以外に、ノーマルなプレイも楽しめるようになっています。嬢のほとんどは20代で、価格も安いプランだと2万円前後から。錦糸町界隈では比較的、人気店だったと思います」(業界に詳しいライター)
そんな店で小原容疑者が働き始めたのが2024年11月ごろ。それから約4か月後に出産したと仮定すると、入店時にはすでに妊娠していた可能性もある。前出のライターは「コスプレがメインといえど、妊娠していればボディラインには気がつくようなプレイ内容」だという。
なぜ子どもがいたとバレなかったのか。店舗の関係者が話す。
「早産だったんですかね……。そもそも3月だとまだ寒いので、仕事中にコートを羽織っている子が多かったんですよ。それで同僚の女の子たちも気づかなかったところはあるかも。
それに、冷凍庫は主に夏しか使いません。夏だったら女の子がコンビニアイスを入れる時に開ける機会があったとは思いますが、寒い時期に使う人はほとんどいなかった。
あと決まったルールではないけど、『あまり女の子同士は仲良くしない』という暗黙の了解みたいなのがあったので、個人的に交流する人が少なかった。冷蔵庫の中身にしても、トラブルになっても嫌だし、そもそも自分の以外のものに触るって発想がありません」
発見時の様子についてさらに続ける。
「最初に見つけたスタッフはリアルに作られた人形かなにかだと思ったそうです。でもよくよく見ているうちに、赤ちゃんだと思って警察に連絡したと聞きました」
前出の社会部記者によれば「小原容疑者は遺体の発見後も勤務を続けていた」という。事件の発覚を受けて、“犯人探し”が始まったともいうが……。
「あの子はまったく疑われていなかった。落ち込んでいる様子もなく、いつも通り仕事をしてたから……。それに『在籍している子じゃなくて、もうやめた子が犯人だろう』というのがみんなの意見でもあったので。一体どんな気持ちで働き続けていたんだったんだろう……」(同前)
「産んだ子をそばにおいておきたかった」──小原容疑者は犯行の動機についてこうも話している。警察の捜査が始まった後も平然と勤務し、口をつぐんでいた彼女に罪の意識はあったのだろうか。
後編では、“地雷系メイクの嬢”だった容疑者の素顔について報じる。
(後編につづく)