俳優の広末涼子(45)が今年4月、静岡県の新東名高速道路上りトンネル内で乗用車を運転中、前を走る大型トレーラーに激突し、同乗者にケガを負わせた事故。静岡地検は22日、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の罪で広末を略式起訴した。同地検の小長光健史次席検事は「付近の道路状況や過失の内容、被害者の意向、再犯防止に向けた対応などさまざまな事情を考慮した」と説明した。
静岡県警の調べでは広末は追突直前、185キロの猛スピードで車線変更をしていたことが明らかになっている。
「車は左右の壁に衝突した後、トレーラーに追突し、再び左右の壁にぶつかり、ようやく停車したが、現場にはブレーキ痕も残っていなかった。185キロは極めて危険なスピードで明らかに制御不能です。事故後、双極性感情障害と診断されたことから、彼女が精神的にも不安定な状態だったのは間違いない」(捜査関係者)
広末は事故直後、高速の路上で車外に出て座ったり、立ったりして車線に飛び出したため、県警の高速隊が危険だと判断し、応援を要請。広末は治療を受けるために向かった病院でも待合室を徘徊し、制止しようとした看護師を足蹴にして腕を引っかき、ケガを負わせた。現行犯逮捕され、事情聴取を受けた県警掛川署でも錯乱状態は収まらず、しばらく薬物検査もできなかった。
広末は任意の調べに対し「一瞬、考え事をしたら、ぶつかってしまった」と話していた。
■新たな数値基準は60キロ超過
県警は当初、より刑の重い危険運転致傷の適用を視野に捜査していたが、「高速道路上であれば制御困難な速度とは言えない」とし、適用は困難と判断したとみられる。広末は11月13日、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)容疑で書類送検された。
「危険運転致傷の基準はあいまいだったため、線引きは難しい。一番の問題は制御が可能か、不可能だったかです。仮に警察が危険運転致傷で立件したとしても、検察が量刑の軽い過失運転致傷に落とすケースは多い。今回はケガをしたのが助手席のマネジャーだけだったことから、そう判断しても被害者から文句は出ない。ただ一歩間違えば、死亡事故につながっていてもおかしくなかった。衝突したのがトレーラーで他に車がいなかったため、あの程度の被害で済んだ」(捜査関係者)
法務省は今月9日、危険運転致死傷罪の見直しを議論する法制審議会の部会を開き、新たに導入する数値基準案を提示。最高速度が60キロを超える道路では、時速60キロ超過を「重大な交通の危険の回避が著しく困難な高速度」とした。
広末が事故を起こした現場の制限速度は、時速120キロ。数値基準を5キロ上回る時速185キロは今後、「危険運転」となり得る。
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今回の広末涼子の一件だが、どうにも「特別扱い」が続いている。関連記事【もっと読む】広末涼子「早朝釈放」のなぜ…若狭勝弁護士も「異例中の異例」と指摘し“特別扱い”を考察…では、その理由に迫っている。