お笑い総合商社が、金融業にも乗り出すという。
吉本興業が今月22日、「FANY BANK（ファニーバンク）を開業する。グループ会社の「株式会社FANY」が関東財務局から銀行代理業の許可を受けたという。
「吉本らしいなと思うのは、『楽しく貯める』というサービスでは、吉本の劇場公演のチケットなど吉本限定特典が用意されている点。日銀の政策金利が30年ぶりの高い水準となるなど、金融業界は、貸出によって利益を上げやすい時代になります。そこで重要になるのは、どれだけ預金を獲得するか。ファニーバンクの強みは、吉本ならではの預金獲得特典を生かせるところでしょうね」（一般紙デジタル担当記者）
吉本限定の特典で差別化、預金獲得への戦略
関係者によれば、まず所属芸人のギャラの支払い銀行をすべてファニーバンクに一本化するという。NSCの授業料の振込先も同行にする。そして芸人に貯蓄を促すことも忘れない。
「芸人を養成するNSCでは、年に4回、コンプライアンスの教育を行っています。必ず受けないとダメ。今の芸人には、とがったものは求められていないんです。とがったものはネタの中だけでいい、という考え。舞台を降りれば普通の生活者であれ、が吉本が目指す芸人像で、貯蓄も芸人に促します。何よりメインバンクを自社にすれば、オンラインカジノなどの非合法の行為も防ぐことができる。銀行の開業は、吉本的にはコンプラ違反の防止にもなるということです」（前出・関係者）
所属芸人のギャラも「ファニーバンク」へ一本化
SNSでは、芸人が借りるということが先行しているが、所属芸人に独自金利で貸し付けたり、独自金利で利息を付けたりできるのも、金融部門を持つことのメリット。
「芸人にとっては福利厚生みたいなものでしょうね」（前出・一般紙デジタル担当記者）
お笑いから金融へ。吉本のウイングは広がる。
