《決勝3組ともすごい面白かった》《凄くいいM-1だった。第2ラウンドのレベルの高さ! 最高だったな》――12月21日に生放送された漫才日本一決定戦「M-1グランプリ2025」(ABC=テレビ朝日系)は、視聴者も《納得の結果》という声が多かった。
過去最多1万1521組の頂点に立ち、21代目王者の称号と優勝賞金1000万円を獲得したのは、初ファイナリストのお笑いコンビ「たくろう」(写真)。赤木裕(34)ときむらバンド(35)の2人で、《二つ目のネタで大爆笑し続けたのはたくろうで、納得の優勝でした》《お腹抱えながら涙流して大笑いできる漫才に出会えてラッキーでした》などと、今回のM-1で初めてたくろうを知ってファンになったという視聴者も大勢いる。
キー局お笑い番組ディレクターは「審査に対する“疑問の声”が少なかったのも、今年の特徴かもしれません」と話す。
審査員は年齢順に、博多大吉(54=博多華丸・大吉)、礼二(53=中川家)、海原ともこ(53=海原やすよ・ともこ)、後藤輝基(51=フットボールアワー)、哲夫(50=笑い飯)、柴田英嗣(50=アンタッチャブル)、塙宣之(47=ナイツ)、山内健司(44=かまいたち)、駒場孝(39=ミルクボーイ)と、昨年に引き続き9人制。
「中でも初審査員のフット後藤さんとミルク駒場さんは、評価がうなぎ上り。後藤さんは2003年のM-1王者、駒場さんは19年王者ですから、説得力があるのはもちろんのこと、《M-1の重みと漫才への愛を感じる審査ぶり》などと、2人の言葉ひとつひとつに感じる“漫才愛”に対して好感を持った視聴者が多かったようですね」(前出のキー局お笑い番組ディレクター)
やはりというか、12月13日に生放送された「女芸人No1決定戦 THE W 2025」(日本テレビ系)での、粗品(32=霜降り明星)の“酷評審査”が引っかかっていたお笑いファンもいたようで、中には《薄い言葉で演者を弾圧したり、他の審査員を批判したり、「もう帰ってください」と嫌な気持ちにさせる人もいなかった》なんて書き込みも。
「ダウンタウン松本人志さんが最後にM-1の審査員を務めたのが23年。当時の審査員の平均年齢は53歳です。今回は最年少がミルク駒場さんの39歳、最年長が大吉さんの54歳、60代は1人もおらず、平均年齢も49歳と下がっています。皆さん、もちろんプロの目線、決して甘い審査はしていないとはいえ、若い視聴者にも近い感覚だったのかもしれません」と、スポーツ紙芸能デスクがさらにこう続ける。
「やはり松本さんがいた頃は、忖度とまでは言いませんが、審査員も視聴者も松本さんが何を言うかに注目し、影響されていたと思います。松本さんが抜けて2年目ということで、カリスマの“呪縛”みたいなものも解けて、審査員もノビノビしていた感じがしました。フット後藤さんが決勝の『たくろう』について、『いろいろ計算しながら見てたんですけど、たくろうでやめましたね。勢いが凄かった』と評していましたが、それがすべてを物語っている。粗品さんの“お笑い論”のように理屈をこねるでもなく、最後はシンプルにおもろいかどうか。大多数の視聴者が求めているのはそこじゃないですか」
松本が審査員だったら、果たして「たくろう」は決勝に進めたのか……神のみぞ知るだが、いずれにせよ、大御所がピリピリさせるM-1は“令和の時代”にそぐわないのかもしれない。
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