どれも最高! 『ホンジャマカ』石塚英彦の「好きなテレビ番組」にある共通点

イラスト:石塚英彦

みなさん、ごきげんよう。コンビニの前を通りかかると、反射的におでんを買ってしまう季節がやってきましたね。石塚英彦です。

今回は、私が大好きなグルメ番組、旅番組について書かせていただきます。

癒やされる「旅番組」

まずはご存知『朝だ!生です旅サラダ』(テレビ朝日系)です。スタジオに勝俣州和さんがいらっしゃるだけで土曜の朝が明るくなります。トークに自信のないゲストをさりげなくアシストされる姿には、感動すら覚えますね。

この番組はゲストの旅をゆっくりと見せてくれるので、一緒に旅をしている気分になります。私も何度か出演させていただいたのですが、ゲストが本当に行きたい場所や、思い入れのあるスポットに行かせてくれます。

ただ番組側が用意した場所に行くだけの番組とは違い、ゲストが本当に旅を楽しむ姿が見られます。さらに、番組内で視聴者プレゼントがあるのも、昭和のテレビのいいところをしっかりと残しています。

続いては、『ウドちゃんの旅してゴメン』(名古屋テレビ放送)です。残念ながら2年前に終了してしまいましたが、この番組にはコロナ禍に家でテレビを観る機会が増えた時に癒やされました。

視聴者からのお便りをもとに、旅人であるウド鈴木さんが東海地方を中心に全国各地を巡ります。途中で出会った小学生にも敬語で話しかけ、飲食店では店員の方に敬意を払いながらお店のこれまでのご苦労や料理にかける情熱などを丁寧に聞き、最後にはその日旅した街への感謝の気持ちを絵で伝えます。

ウケを狙って言葉が乱暴になりつつある近年のレポーターと違い、ウドさんは正しいレポーターの姿勢を教えてくれます。しっかりと商品の味も伝わるので、番組を見終わった後、ついついネットで調べて購入してしまいます。ぜひ、『ウドちゃんの旅してゴメンⅡ』として再開してほしいものです。

飯尾和樹さんと阿藤快さんの共通点

3つ目は、『飯尾和樹のずん喫茶』(BSテレ東)です。そもそも私は飯尾さんという芸人が大好きです。前に出すぎず、引きすぎず、確実に笑わせてくれる職人。この番組は、街の喫茶店を飯尾さんが訪れ、お店の方とふれあいながら、その店の歴史や名物メニューを楽しみ、お店の方の素の姿を引き出すという内容です。そう簡単にできる芸当ではありません。

一般の方はテレビが撮影に来るというだけで緊張してしまいます。そりゃそうです、一生に一度あるかないかのイベントで、しかも、テレビでおなじみの飯尾さんが自分の店に来るのですから。

ところが飯尾さんという人間は特別で、相手の懐に入るのが非常に上手い。亡くなった阿藤快さんに似ています。飯尾さんは私も大好きな「めがねギャグ」を惜しげもなく披露し、絶対に台本にない会話をしながら、相手の心の扉のカギを開けてしまいます。これぞ飯尾マジックです。

最初は緊張していたお店の方も、番組中盤には笑顔になっています。番組の最後には、コーヒーカップに飯尾さんが感じた想いを書き込みます。

今回は、私が大好きな番組を3つご紹介させていただきましたが、テレビの視聴率に100%はありません。みなさんお一人お一人に好みの番組があるからいいのです。

ただ、私が個人的に大好きな番組には常に「感謝」の心があります。食材に感謝、料理人に感謝、お店に感謝。感謝の気持ちを忘れない番組に、これからも参加したいと思います。

’62年、神奈川県生まれ。恵俊彰とのコンビ「ホンジャマカ」で活動、「元祖!でぶや」(テレ東系)などのバラエティに加え俳優や声優としても活躍。現在、「よじごじDays」(テレ東系)の金曜MCとして出演のほか、YouTubeやInstagramにも注力している

『FRIDAY』2025年12月19・26日合併号より